ミニマリスト
スッキリと片付き、あるのは、必要最低限の財布とスマホくらいだ。
1人ぽつんと部屋に立っている。
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俺の部屋の中は、物であふれていた。
タンスの上から床まで埋めつくさている。
ふとテレビをつけると、
「今、話題の生き方!!ミニマリストに密着!!」
「ミニマリストか〜なんかいいかもな」
この物であふれた部屋にみもうんざりしていたとこだ。
「あんた、全然捨てられないじゃない」
「いつも、これには、あの時の思い出があるとか言って!
ガラクタばかりとっておくんだから!!」
妻は、結構ほいほい物を捨てられる人である。
「思い出があるものは、捨てられないよ」
「どうせ、使わないし、見もしないんだから!」
「分かったよ!!捨てるよ!!俺ミニマリストになる!!」
「無理よ」
「絶対になる!!ミニマリストに!」
そして妻は、仕事に向かった。
あんな言われ方したから腹を立てが、実際は妻の言う通りである。
俺は、なかなか捨てられない。もしかしたら何かに使うかもしれない。
思い出を忘れたくないし、捨てるとその時の思い出まで捨ててしまうような気持ちになる。
ただ、宣言したからには、ミニマリストにならないとな。
う〜ん、これは、小学生の時に作ったオルゴールだ、、
校歌が流れるけど、絶対、使わないけどな。
あっ!これは、中学の時に美術で作った彫刻だ。
もう捨てられないよ、、、
やべっ!!
「ガタッ!ドドン!!」
タンスから物がいっぱい落ちてきた。
突然の事で、避けることができなかった。
頭を強く打ってしまった。
ここは、どこだ、汚い部屋だな。
俺は、どうやら記憶を失ったみたいだ。
自分がどんな人間かもわからない。
ただ、分かるのは、部屋が汚いということだ。
なんだこのオルゴールとか、彫刻とかもいらないだろ。
ガラクタだらけの部屋だな。居心地が悪いし、全部捨てるか。
部屋のほとんどの物を捨てた。残っているのは、財布と携帯くらいだ。
もう一つの部屋があるようだ。
この部屋は、結構スッキリしているな。
「ただいま」
けっこうキレイな女性だ。
「ほんとに捨てたの!!!スッキリしたね」
「あれっ!私があげたネックレスは?」
「捨てたよ!てか、あんた誰?」
「なに言ってんのよ!!」
「記憶をなくしたんだ」
「もう限界!出ていく!!」
その女性は、怒り狂って、自分の物を全部持って出て行った。
著者:ジョナソノフ