命賭けのコーヒー

真夜中の喫茶店で人知れず行われた、

生死を賭けた戦いが。!


2つのマグカップにコーヒーが入れてある。


カイトは、真剣な顔でこっちを見ている。


「片方に毒を入れた、さあ、どちらか選んでくれ」


カイトは、昔から顔に出やすい。


嬉しいときは、いつも口元が少し緩む癖がある。


そのことを知っていることは、恐らくカイトは知らない。


正直このゲームは、負ける気がしない。


ただ、命が賭かっているとなると慎重にならざるを得ない。


右のマグカップを見た後、カイトの表情を見た。


何も表情を変えなかった。


左のマグカップを見た後、カイトの表情を見た。


口元が少し緩んだ。


これは、右だ!!


「決めた!」


右のマグカップを手に取り、コーヒーを互いに飲み干した。


「なんで、、?」


だんだんと意識が薄れてゆく中で、号泣しているカイトの姿があった。


そうか、、、カイトは、自分が死ぬことより俺が死ぬ方が悲しかったのか。。。


そうだった、、
カイトは、いつも自分のことよりも俺のことを第一に考えてくれるやつだった。。。

著者:ジョナソノフ

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